赤ちゃんのためにお金を贈与。あげる金額で税金が変わるその仕組み
将来のために子どもへお金を残す方法の1つとして「贈与」があります。相続税の対策として贈与を考える人も増えてきています。しかし贈与を行うと税金を払わないといけません。贈与税とは何なのか、贈与税の納付に必要な手続きや注意点などをまとめてみました。
贈与税についての知識を身につけよう
そもそも贈与税ってどんな税金なの?
個人から贈与を受けたときのみ贈与税の対象となり、法人から贈与を受けたときは法人税もしくは所得税となります。
「贈与」は贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の両方が「あげます」「もらいます」と意思表示をすることで成立します。必ず書面契約が必要ではなく、口頭でも贈与が可能です。口頭契約については、まだ行われていないものに関しては取り消しをすることができますが、書面契約の場合は取り消しができないので注意が必要となります。
贈与税は贈与者に課税されるのではなく、受贈者に課税されます。基本的には贈与を受けた全ての財産が贈与税の対象となりますが、例外的に贈与税の対象外となる財産もあります。その中に「子どもや孫に対する一定要件を満たす子育て資金」が含まれています。
どういう時に贈与税がかかるの?
- 夫婦や親子、兄弟姉妹などから生活費や教育費として取得した財産で必要と認められるもの
- 法人から取得したもの
- 公益目的で取得したもの
- 特定公益信託から交付される金品
- 地方公共団体の条例により、心身障がい者救済制度に基づいて支給される給付金
- 公職選挙法の適用となる選挙活動で取得し、規定により報告がされたもの
- 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
- 香典、花輪代、年末年始の贈答、見舞いなどの金品
生活費や教育費の場合、必要な都度直接これらに充てるものに限られています。ただし、2013年4月に「子や孫への教育資金の一括贈与制度」が始まりました。必要な都度の贈与でなくても、1,500万円までなら非課税となる制度です。
同じような制度として2015年4月から「結婚・子育て資金の一括贈与制度」も始まっています。どちらも現時点で2019年3月までの制度となっており、3月31日までに手続き完了が必要です。
未成年者の贈与税申告の手続き方法
申告書の作成や署名は親権者が行う
未成年者が受贈者となった場合は、父親や母親などの「親権者」が手続きをおこないます。これは、親権者が子どもの財産を管理する権利義務があるためです。申告書に記入をする氏名などは受贈者である子どもの名前になるので記入をする際は注意が必要です。
親権者が贈与税の申告書を作成し、申告書に署名もおこないます。あわせて必要書類なども準備をします。申告書は税務署に置いてある用紙や国税庁のホームページを使用します。確定申告書を作成するときに、贈与税の申告書も作成することができます。
贈与税は未成年者が納付する
申告者が未成年者の場合、実際に申告書に記入をするのは親権者になりますが、申告書に記入をする氏名などは受贈者である未成年者の氏名などになるため、未成年者である子どもの財産から納付金を支払う必要があります。
未成年者の財産からの納付であれば、実際に納付の手続きをするのは親権者などの代理人がおこなっても問題はありません。納付の方法として、現金で金融機関や税務署の納税窓口で納付、e-Taxで納付、コンビニエンスストアで納付書を利用して納付の3つの方法があります。
基本的には一括での納付となりますが、一括納付が難しい場合、一定の条件のもと5年以内に分割をして納付する延納という方法もあります。
贈与税の申請は親権者が提出する
書類の提出方法として、直接窓口へ提出する、税務署に設置されている時間外収受箱へ投函する、郵便や信書便で郵送する、e-Taxによる電子申告があります。
提出期間中は税務署やそのほかの会場で、作成の相談会などがおこなわれています。記入漏れや提出書類の不足がないように、相談会などを利用して申告書を作成し、書類を提出するといいかもしれません。あわせて申告期限が過ぎてしまわないように注意しましょう。
赤ちゃんや未成年者へ贈与する際の注意点
贈与契約書など証明となる書面を作成する
しかし受贈者が未成年者の場合、本当に「もらいます」という意思表示をしていたのかと疑問をもたれ、税務署に贈与を否認される可能性もあります。
贈与の事実を明確にするためにも、「贈与契約書」を作成しておくといいでしょう。
贈与契約書には、贈与時期・贈与者と受贈者の氏名・贈与対象・贈与条件・贈与方法などを記載します。受贈者の欄には、未成年者である子どもの氏名だけではなく、法定代理人として親権者の署名捺印もします。「贈与契約書 テンプレート」などで検索をすれば、参考となるサイトがいくつか見つかります。
また後日作成したと思われないためにも、公証人役場で確定日付をもらっておくのがベストです。