偏食の妊婦が知っておきたいこと。妊娠中の食べ物やアレルギーの関係
妊娠すると好きな食べ物が苦手になったり特定の食べ物ばかり好んだりするなど、偏食傾向になりがちです。お腹の中の赤ちゃんが元気に育つためには、偏食傾向のあるママはどんな点に気をつけて食事をするとよいのでしょうか。妊娠中の「食物アレルギーと偏食の関係」とあわせてお伝えします。
偏食傾向なら知っておきたい妊娠中の食べ物
妊婦におすすめの食べ物
まず積極的に食べてほしいのが緑黄色野菜です。身体の調子を整えるビタミンやミネラルが豊富で、妊娠中に必要な葉酸や鉄分を含むものも多いです。
ささみ、肉や魚の赤身は、胎児の身体を作るために必要なたんぱく質を含みます。また大豆や大豆製品はたんぱく質に加え、ビタミンやミネラル、食物繊維などたくさんの栄養素を摂取することができますよ。
低カロリーのキノコ類は、便秘改善効果のある食物繊維が豊富です。牛乳や乳製品にはタンパク質やビタミン類、さらにカルシウムを筆頭に多くのミネラルが含まれています。
妊婦が控えたほうがよい食べ物
お茶やコーヒーなどのカフェイン飲料やアルコールは、胎児の発達に影響を与える恐れがあります。カフェイン飲料は1日2杯程度に控え、アルコールは摂取しないようにしましょう。
妊娠中は免疫力が落ちてしまうため、魚や肉の刺身、生卵、ナチュラルチーズなどを食べると食中毒になる危険があります。出産後、また卒乳後のお楽しみに取っておきましょう。
そのほか、人体に有害な無機ヒ素が多いひじき、水銀含有量の多いマグロやカジキなど、また妊娠初期には動物性ビタミンAの多いうなぎやレバーなどの食べ過ぎに注意してください。それぞれ1週間に1~2回を目安にしましょう。
偏食は妊婦の便秘の原因にもなる
便秘改善には食物繊維を多く含む食べ物を積極的に摂取しましょう。食物繊維には不溶性と水溶性があり、これらを2:1の割合で摂取することで腸の活動を活発にすることができますよ。
不溶性食物繊維は野菜や穀類など、また水溶性食物繊維はキノコ類や海藻、果物に多く含まれています。またこんにゃく、ゴボウ、ニンジン、切り干し大根などは両方の食物繊維を多く含みます。上手に活用してくださいね。
便秘になるほかの原因として、妊娠中にホルモンバランスが変化することや大きくなる子宮に胃が圧迫されることも考えられます。これらの場合も食物繊維の摂取で改善できますよ。
偏食は妊婦のつわりの症状の一つ
嗜好が変わり食べ物を受けつけなくなる
あるアンケートで先輩ママに「つわりの辛い症状」を聞いたところ、一番多かった意見が「だるさ・眠さ」で全体の約45%でした。次に「においに敏感になる」「むかむかして気持ち悪い」「食べづわり」といった意見が続き、「偏食」は第5位で約25%、およそ1/4のママが辛いと感じたようです。
アンケートを見てわかるように、つわりになると多くのママが「食べること」に不快感を訴えます。また嗜好が変わることも多く、栄養を考えて食べようとしても食べ物を受けつけなくなることもあるようです。
辛いときは偏食を気にせず食べられるものを
つわり時期の原則は「食べたいときに食べられるものを食べられるだけ」です。お腹の赤ちゃんの栄養を心配するママもいると思いますが、大丈夫ですよ。
つわりの症状がある妊娠初期にお腹にいるのはまだほんの小さい赤ちゃんで、たくさんの栄養は必要ありません。赤ちゃんへ優先的に栄養が行くようになっているので、ママは安心して食べられるものを食べてくださいね。
つわりが治まれば、バランスを考えた食事を再開します。成長する赤ちゃんに、しっかりと栄養を届けてあげましょう。
つわり中でも食べやすい食べ方
まずは体の調子を整えるビタミン類やミネラルを多く含む、甘酸っぱいフルーツです。活動のエネルギー源になる糖質も豊富ですよ。冷たくするとより食べやすくなりますね。
一般的に炊きたてのごはんはつわりを誘発しやすいですが、冷ますと匂いが抑えられて食べやすくなります。また麺類、サンドイッチ、飴などはつわりのときに食べやすい食べ物として知られています。上手に利用しましょう。
注意してほしいのが冷えです。冷えは妊娠中によくありません。冷たい食べ物は身体を温めてくれる生姜湯や梅昆布茶などと一緒に食べるとよいですよ。