
つわりで仕事がつらい!症状にあわせた乗り切り方や工夫と休む基準
妊娠5週目頃から始まるつわり。つわりはさまざまな症状があり、その程度にも個人差があります。仕事を持つ妊婦さんは、「仕事をしながらつわりの期間を乗り切れるだろうか?」と不安になってしまいますよね。つわりの症状にあわせた仕事の乗り切り方、つわりを軽減する方法、仕事を休む症状の目安についてご紹介します。
つわりの症状にあわせた仕事の乗り切り方

においつわりならマスクで少しでも症状軽減
妊娠中はママのホルモンバランスが大きく変化して、エストロゲンという物質が増えます。エストロゲンにはにおいを感じとる機能を高める作用があるので、普段以上ににおいに敏感になるのだそうです。
お米が炊けるにおい、たばこのにおいのほかにも、今までは気にもならなかったはずの香水のにおい、シャンプー、トリートメントのにおいに敏感になることも少なくありません。
自宅や職場だけではなく、通勤電車内などで周囲の人の香水や整髪料のにおいで、急激に気分が悪くなってしまうこともあります。
においつわりの症状を少しでも軽減するために、マスクをしてみましょう。マスクが1枚あるだけで、不快なにおいを緩和できます。
食べつわりには仕事中つまめるおやつを用意
食べつわりは、空腹になってくると胸やけや吐き気をもよおすことが多いのですが、空腹とは関係なく、何かを口にしていないと胸やけや吐き気を感じる場合もあります。
どちらにしても食べつわりの症状では、ちょこちょことつまめる軽食が必要になります。仕事中に何かを食べるというのは気が引けてしまうと思いますが、サッと口に入れられる物をいくつか用意しておきましょう。
食べつわりはカロリーオーバーや糖質の摂り過ぎで、妊娠糖尿病になるリスクが高くなります。仕事中につまめるおやつも、できるだけ低カロリーの物を選びたいですね。おからクッキーやこんにゃくゼリーなども食べつわりの妊婦さんにはおすすめです。
眠りつわりなら仮眠できる時間や場所を探す
妊娠するとプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増えます。プロゲステロンは体温を上げるほかに眠気を促す作用もあるため、妊娠初期に眠くなりやすくなるのはごく自然なことですが、眠りつわりの場合はかなり強い眠気が続きます。
強い眠気、頭がぼーっとするなどの症状が一日中続き、記憶力や判断力が低下することも。眠いだけだからと無理をし続けると疲労が蓄積して、倒れ込んでしまうこともあります。
とにかく眠ることを優先して、仮眠が取れる時間や場所を確保しましょう。昼休みに仮眠をとる、退勤後の買い出しをネットで済ませ、その分早く帰宅して仮眠をとるなど対策をとりましょう。
つらいつわりを軽減する工夫をしよう

動きやすく身体をしめつけないマタニティ服
妊娠は一時のことだから少しでも経済的に、というのも充分に理解できますが、やはりお腹周りや下腹部をしめつけないマタニティ服に切り替えていくのがよいでしょう。
少しずつであっても確実にお腹は大きくなっていきます。自分では気が付かない程度の衣類によるお腹のしめつけや、刺激がつわりの症状を強くしてしまうこともあるのです。
立っているときや歩行時にはしめつけは起きなくても、座るなどの動作でお腹を刺激してしまうので動きやすく身体をしめつけないマタニティ服を選びましょう。
つわりに効くアロマオイルを使う
さまざまなにおいに反応してしまう時期ですが、反対に心地よく感じるにおいや香りもあると思います。アロマ系に詳しい方なら知っているかもしれませんが、つわりの症状を軽減するアロマオイルもありますよ。
つわりの症状でつらいときには、レモンやネロリ、オレンジやベルガモットなどの柑橘系のアロマオイルが効きます。リフレッシュ、安らぎ、疲労回復、安眠の効果があるので試してみましょう。ハンカチやタオルに1滴たらして持ち歩きましょう。
使用するアロマオイルは、100%天然の精油を使用した物を使ってください。
出勤時間や乗る場所などを工夫して通勤する
妊婦さんに理解のある会社では、体調や通勤ラッシュを考慮して出勤時間をずらしてしてくれることもありますが、すべてがそうとは限りません。
出勤時間が変えられず体調に不安を感じるなら、ルートを変えて混雑を避けて通勤する、今までより少し早く自宅を出て休憩をとりながら通えるようにする、空いている車両に乗るようにするなどの工夫をしてみましょう。
バス通勤では、車内のにおいや揺れで気分が悪くなりやすいので、電車通勤に変えてみるのもよいですね。
つわりでつらいときに仕事を休む症状の目安

1日数回の吐き気があり食事がとれない
ただ産休と違って、つわりでの休暇というものは設けられていないし、つわりの症状のレベルの尺度も細かく定められていないためか、仕事を持つ妊婦さんは「つわりでは休めない」と潜在的に感じているところがあります。
たしかにつわりを理由にした休暇はありませんが、1日のうちに数回の吐き気があり充分な食事をとれないほどにつわりの症状が強いと、母子ともに健康状態に問題が発生する恐れがあるため、点滴治療や入院、要安静の指示が出されることがほとんどです。
こうした場合は医師に診断書を書いてもらい、休暇をとる必要があります。自己判断で無理はせず、まずは医師に診察してもらい仕事を休むなどの処置をとりましょう。
強い全身の倦怠感や疲労感が続く
妊娠中には身体がだるい・疲れやすい・眠いなどと体調に変化が起こりがちですが、その症状を軽視し過ぎないようにしてください。
というのも、通常どおりに生活しているにも関わらず、横になっていないとつらいほどの強い全身の倦怠感が一日中続く場合や、極度の疲労感が続いている場合も会社を休み安静にする必要があるレベルです。
この場合も医師は何らかの治療が必要と判断して、安静や入院を指示することがほとんどです。「妊娠中だから仕方ないか」など自己判断はせずに、何かおかしいと感じたら医師の診察を受けて、赤ちゃんのためにも適切な対処をとるようにしましょう。
基準はないので自身の身体と職場に相談して
「まだ妊娠初期だから」と会社へ妊娠の報告をしづらいかもしれませんが、つわりで体調が悪化してしまってから報告するよりは事業主や上司も対応しやすくなります。
つわりがつらくて勤務が厳しいときには、職場に相談して退勤を早めてもらうなど何らかの対処をとりましょう。
職場で理解が得られない場合には、医師の指導内容を会社に適切に伝える「母性健康管理指導事項連絡カード」を発行することもできます。担当医師に相談して記入してもらい会社に提出するのもよいですね。
まとめ
つわりがつらいときには休憩と症状にあった対策をとり、あまりにもつらいと思ったら遠慮せずに受診をしましょう。
「まだ妊娠初期だから」と周囲に伝えづらい気持ちもあるかと思いますが、周囲の理解を得るためにも早めに上司に報告をするのも大切ですね。