【第4回】食べる練習期間「離乳食期」におすすめしたい野菜
おすすめ野菜の下処理の方法
離乳食期は赤ちゃんの発達にあわせた野菜の下ごしらえが必須です。時期ごとにおすすめの野菜の下処理と調理のポイントを紹介します。
■■初期にオススメの野菜と調理法
小松菜の葉っぱの部分は初期からおすすめの食材。葉と茎を分けたら葉のみ柔らかく湯がき、軽く水分を切ってから、裏ごしします。繊維があるので裏ごしすると、のどごしや舌触りがよくなり、消化もよく食べられます。裏ごし器は100円ショップのものでもOKです。
いも類やにんじんも素材の味が甘く、つぶしやすく、赤ちゃんにあげやすいです。いも類は芽は取り除き、水にさらしてから、茹でたあと裏ごしし、湯さましでのばしてあげましょう。
味付けをするなら昆布だしがおすすめ。赤身の魚は中期以降に食べられるので、かつおだしは少し後のお楽しみにしておきましょう!
■■中期におすすめの野菜と調理法
トマトは切る前の下処理が必要になります。まず十字に切り込みを入れて、沸騰したお湯に1分ほどつけて皮を湯むきします。
皮を剥がしたら、適当な大きさに切り、タネをとって完了。タネは消化しにくいほか、酸味の元になるので、とっておくと食べやすいです。
下処理をした後のトマトは、初期は裏ごし、中期はすり鉢ですりつぶして昆布だしを加えてのばしたものを。後期になったら、小さくみじん切りにしたものを出すとよいです。
夏野菜のきゅうりも離乳食であげることができます。食べるときは皮をむき、すりおろして昆布だしやかつおだしと合わせたり、とろみをつけたりしてのど越しをよくすると食べやすくなります。生はまだ避けたほうがいいので、だしで煮たりして加熱するようにしましょう。
鉄分が豊富な小松菜は、引き続き赤ちゃんに食べさせたいところ。茹でた葉はみじん切りにして、茎は後期からなら細かく刻んで食べることができます。みじん切りにした葉と茎をおかゆに混ぜたり、ポタージュスープにすると食べさせやすいです。また、ほうれん草も同様に葉と茎をみじん切りにしてあげることができます。
■■後期におすすめの野菜と調理法
夏の旬野菜で、安価で手に入りやすく栄養もありますが、皮が固く、苦味もあり食べにくいピーマン。みじん切りすれば後期から。煮ても柔らかくなりにくいので細かくしたあとにとろみ付けすることで、のどごしよく食べられます。
苦味はだしで煮るか、きのこと少量のしょうゆで煮てもよいです。その場合、大人の食事を作る工程で赤ちゃん分を取り分けて作ることで手間も少なくなります。甘みの強いカボチャに混ぜてからあげてもよいです。
もし赤ちゃんが好んで食べなくても、時々食卓に並べてみてください。ふとした時に食べてくれることもあります。
甘くて大好きな子が多いコーンも離乳食ではおすすめ!茹でて細かくみじん切りしたものをおかゆに混ぜてあげるとたくさん食べてくれます。生を購入した場合、コーン一粒一粒についている薄皮を取り除く必要があります。薄皮はこんな感じでむけます。
ただこれはとっても手間がかかるため、クリームコーンの缶詰を使ったり、水をかけるだけですぐ戻るフリーズドライを使うと簡単です。
ちなみにフリーズドライは離乳食期に合わせて、フレークタイプやキューブタイプなど様々な種類が市販されていますので、ご家庭に合わせて、忙しい時などに利用してみてもよいですね。
コーンは裏ごしとすりつぶしをすれば中期頃から食べることもできます。
■■完了期におすすめの野菜と調理法
大人の食事に近いものが食べられるようになります。ただ味は薄味にして、食材も小さめにカットしたものがよいです。カットサイズは10cm程度、子ども用スプーンにのるくらいのサイズが目安です。
食べられるサイズは発達段階によって異なるため、子どもの食べる様子を見ながら、調整していくようにしましょう。
まとめ
離乳食期はいろんな野菜を、赤ちゃんに食べやすいように形状を工夫しながら進めます。今回、ご紹介しているのは、あくまでも目安なので、赤ちゃんの様子を見ながらゆっくりすすめていってくださいね。この時期は栄養面はあまり気にせず、食事の練習期間だと心得て。
なにより家族みんなで食卓を囲み、おいしい食事は楽しいという気持ちを、大人も赤ちゃんと一緒に感じてもらえたらと思います!
監修
離乳食インストラクター・乳幼児食指導士。自宅教室「離乳食とおうちパン教室doucement(ドゥースモン)」をオープン。愛知県を中心に離乳食や幼児食に関するセミナーを行っています。
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